すみれの花咲くダイアリー

宝塚歌劇団のこと。

【ヅカめも】ファンクラブとはなんぞ?

 

宝塚歌劇が大好き!

とあるタカラジェンヌ=生徒さんが大好き!

 

…となると、おそらく誰もが頭に思い浮かべるであろう、「ファンクラブへの入会」。

 

宝塚歌劇には、公式ファンクラブ「宝塚友の会」があります。会員限定の先行抽選やイベントなどがあるほか、劇団が発行する月刊誌「歌劇」「宝塚GRAPH」の定期購読が出来る、公式グッズショップ「キャトルレーヴ」で割引を受けられる…特典盛りだくさんなので、コンスタントに公演を観に行くファンのほとんどは入会していると思います。

 

しかし、個々の生徒さんのファンクラブは公式には存在しません。

それは、宝塚歌劇の生みの親・小林一三先生が「生徒によってファンクラブの有無があると可哀想だ」という考えをお持ちだったからだとか。

 

なので、タカラジェンヌのファンクラブは全て「非公式」「私設」なのです。

 

今日は、そんなファンクラブについて掘り下げてみたいと思います。以下、ファンクラブのことを通称である「会」と呼ばせていただきます。

 

 

 

全員にファンクラブはあるの?

私設ファンクラブ(この記事では登録会のみを指します)は、全ての生徒さんにあるわけではありません。ある程度学年が上である、公演での役付きが良いなどの条件を満たしている方で、「会を立てよう」という意思のある方のみ持っています。何故なら、会を立てるとチケットノルマなどの「果たさねばならない責任」が出てくるから。男役に比べてファンの少ない娘役さんの場合、トップ娘役さん以外に会はありません。

 

男役さんだと、会を立ててチケットをたくさん捌くことはステータスであり、スターへの欠かせない一歩です。

 

 

ファンクラブの役目

ファンにチケットが行き渡るよう取り次いだり、ファンミーティングを開いたり、というのが一般的にイメージされるファンクラブ。しかし、宝塚のファンクラブはそれに加えて、生徒さんのお仕事をサポートする、マネジメントのような業務も担っています。

 

例えば、生徒さんが楽屋や舞台で必要とする消耗品や食事を差し入れたり、劇場やスタジオまで送迎したり。お世話になっている方やお店への対応なども会の仕事。これで非公式、多くの方がボランティアでお手伝いしているのだから…すごいと思いません?

 

 

ファンクラブを構成する人々

ファンクラブを構成する役には以下のようなものがあります。

 

1. 代表

ファンクラブのトップ。生徒さんの近くで身の回りのお世話をするほか、配席やチケット出しなどの業務を行います。

 

2. スタッフ

代表さんの指示のもと、さまざまな業務を行います。会員への送付物の作成、ガード整理、チケット出し列の整理、お茶会の運営、グッズ作成、差し入れの買い出し…公演中は、劇場近くに詰めていることも。

 

3. アシスタント

会によって違いますが、たくさん人手が必要なお茶会時やガード、チケット出しなどで、一部の会員がスタッフのサポートをします。必要に応じて召集されるため、メンバーは流動的であることも。

 

4. 会員

一般の会員さんです。ほとんどの方はここに属します。

 

代表、スタッフやアシスタントは、熱心なファンクラブ会員から選ばれたり、他でスタッフ経験のある方がスカウトされたりするようです。

「なりたい!」と言って誰でもなれるものではないので要注意。

 

 

ファンクラブに入ると、どんないいことがある?

 
1. 入り待ち、出待ちに参加できる

生徒さんが楽屋に出入りする際の入り待ち・出待ち。もちろんファンクラブに入っていなくても見ることは出来ますが、ファンクラブに入ると「ガード(生徒さんをギャラリーしている他のファンや一般の方から守ることを指します)」と呼ばれる形で入り待ち、出待ちに参加し、生徒さんにお手紙を渡すことができます。

 

なおこの「ガード」、参加中の行動にはかなり制限があるため、体力のない方や団体行動が苦手な方にはおススメしません。真冬の寒空の下、真夏の炎天下、私語も最小限にスマホも触れず、2〜3時間待つということも十分にあります。ご贔屓のためなら頑張れるわ!という方も、ご自身の体調とよ〜〜く話し合ってから参加しましょう。

 

2. 公演チケットの取り次ぎがある

応援している生徒さんの出演する公演のチケットを取り次いでもらえます。もちろん人気公演や初日・千秋楽などではお断りもありますが、プレイガイドや友の会抽選よりもチケットを手に入れやすいしくみになっています。

また会では、お土産(オリジナルの文房具、ハンカチ、雑貨、お写真など)付きの観劇会=総見が催されることも。

 

3. お茶会等イベントへの優先参加

「お茶会」とは、いわゆるファンミーティング。生徒さんを囲んで公演の話を聞いたり、ゲームをしたり、歌を聴いたり、人によっては記念撮影や握手会、直接お話ししたりも出来ちゃう…とっても楽しいイベントです。

ファンクラブに属していなくても参加はできますが、ファンクラブ会員になると案内が欠かさず送られてくるようになるため、「申し込むツテがない!」と慌てる必要なし。時と場合によっては「会員限定」という形で開催することもあります。

 

4. グリーティングガードやお礼状が貰える

公演終了後に「応援ありがとう」のメッセージを込めて送られる「お礼状」、年賀状、バースデーカード、サマーカードなど(それぞれの有無は会によって異なります)生徒さんの写真入りのハガキが貰えます。

 

 

会活動する上での注意!

楽しく活動する上で、守らなければならないルールがあります。

 

・生徒さんのプライベートに踏み込まない

全ての宝塚ファンにとって、タカラジェンヌは応援し、支え、見守るもの。生徒さんの守るべきプライベートを侵害することは絶対にあってはなりません。大好きな生徒さんが安心して舞台に立てるよう、適度な距離を保って応援しましょう。

 

・会を掛け持ちしない

複数のファンクラブを掛け持ちすることはNGです。

 

・チケット取次ぎのルールをよく理解する

ファンクラブのチケット取次ぎは、直前まで可否が分からないことがほとんど。また、お断りされた場合の返金は公演が終わってからされる、一度申し込んだチケットのキャンセルは出来ないなど様々なルールがあります。よく理解し、納得した上で申し込みましょう。

 

・会則、代表・スタッフの指示に従う

とにかくたくさんの人を一度に動かすことが多いため、一人でもルール違反をしたり、指示を聞いていないということがあると、周りに迷惑がかかったり、本人や他の会員、生徒さんに危険が及ぶこともあります。

 

 

 

如何でしょうか。

 

「会に入る」って、掛け持ちNGだったり、ルールがいろいろあったりして、意外と重たいことなんですよね。

 

でも、それだけの喜びや楽しさがある。同じ生徒さんを応援する仲間ができる。私が過去に会活動をしていた中で一番良かったなぁと思うことは、宝塚以外のことも話せるファン仲間ができたことです。

 

なお、会活動の仕方は人それぞれ。観劇、ガード共にほぼ皆勤!という熱心な方もいれば、入会して案内やグリーティングカードを貰うだけのゆるっと会員さんもいます。自分の生活スタイルに合わせて、無理せず応援しましょう。

 

会に入りたいな、と思ったら、生徒さんご本人に「入会したい」旨の手紙を書くと、案内を送ってもらえます。または、劇場でチケット出しをしている会スタッフさんの手が空いているタイミングを見て声をかけてみましょう。